top of page
大学入学を控え、都会に上京してきた吉沢夏生(よしざわなつき)はある夜に不思議な少女と出会う。
白銀の髪に深紅の瞳を持つ少女は、冷たい声で
「私の名は鬼晶(きしょう)。お前の死神だ」
と言った。
戸惑う夏生に対し、鬼晶と名乗る死神は2週間の命の猶予を与える。
―――2週間後、俺は死ぬ……?
突然人生のタイムリミットを告げられた夏生の脳裏によぎったのは、子供の頃に別れた初恋の人の声だった。
「この先、すっごく辛いことや、悲しいことがたくさんあると思う」
「だけど忘れないで。それは必ず報われる時がくるから」
「私がずっと、守るから……」
それまですっかり忘れていた大切な人。
―――もし本当に死ぬのであれば、その前にもう1度会いたい。
夏生はかすかに残る記憶を頼りに、思い出の場所へ向かうのだった。
bottom of page